ASTER雲マスクデータベース
衛星画像の雲量情報は画像検索や高次処理において重要ですが、ASTERのオリジナル雲判定は精度に問題があり、特にフルモード゙以外の観測(夜間観測やV-only観測など)や、短波長赤外バンドが機能不全となった2008年4月以降のデータでは信頼性が低くなってます。本研究室では全てのASTER画像(200万シーン以上)を対象に、より信頼性の高いMODIS雲マスクプロダクトによる雲量再判定を行ってデータベース化しており、その処理結果は、日々、ASTER地上データシステム(ASTER GDS)、及び米国NASAのLP DAAC (Land Processes Distributed Active Archive Center)に送付され、ASTER画像検索の精度向上に役立てられています。
【関連文献】
H. Tonooka, K. Omagari, H. Yamamoto, T. Tachikawa, M. Fujita, Z. Paitaer, ASTER cloud coverage reassessment using MODIS cloud mask products, Proc. of SPIE, vol. 7862, 2010 [doi 10.1117/12.869605].
ASTER/TIR再校正係数
ASTER熱赤外バンドの放射量校正値には校正係数の不整合に伴う誤差が含まれています。本研究室では、宇宙空間での機上校正データの解析に基づき、この誤差を除去する方法を構築し、シーン観測日に基づく補正係数を提供しています。本成果は、ASTERサイエンスプロジェクトで紹介されています。
【関連文献】
F. Sakuma, H. Tonooka, N. Ohgi, and H. Ono, Prediction of the radiometric calibration coefficients of ASTER/TIR, Proc. SPIE, vol. 5978, pp.277-284, 2005.[doi 10.1117/12.628437]
H. Tonooka, F. Sakuma, M. Kudoh, and K. Iwafune, ASTER/TIR onboard calibration status and user-based recalibration, Proc. SPIE, 5234, 191-201, 2003.[doi 10.1117/12.514132]
衛星湖沼水温データベース日本編(SatLARTD-J)【2000~2013年】
日本の全国各地に点在する小水域(小規模な湖沼や溜池等)には多様な生物が生息しています。そして、これらの生物にとって、様々な化学的、物理的、生物的プロセスに影響する水温は、重要な環境因子です。例えば、水中生物相は成長や生産において最適な水温範囲を持つので、水温変化は生物種の変移をもたらします。また、水温上昇は溶存酸素濃度の減少を引き起こします。しかしながら、一部の主要な湖沼を除く多くの小水域では、定常的な水温観測が成されていないのが実情です。このような背景の下、本研究室では、2009年度からの4年間、衛星センサASTERの熱赤外画像を用いて、全国各地に点在する小水域の水温時系列データベースの構築を行いました(科研費:若手研究(B)・課題番号 21710003)。
【関連文献】
H. Tonooka, Regression imputation with ground air temperature for the satellite-based lake and reservoir temperature database in Japan, Proc. of SPIE, vol. 8524, 85240O, 2012.[doi 10.1117/12.977564]
H. Tonooka, and M. Hirayama, Development of Japanese inland water surface temperature database using ASTER thermal infrared imagery, Proc. of SPIE, vol. 8174, 81741A, 2011.[doi 10.1117/12.628437]